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シロクマに氷

その13

 暑すぎる。これを読んで頂いている方はどちらにお住まいなのか。大阪は暑いです。とにかく翌日の天気予報が怖くて見られない。毎日、「明日の予想最高温度」が35度を超える旨がテレビのアナウンサーの口から流れる。「さあ、今日は暑かったですね。大阪ではなんと37度を超えました。明日の予測を見てみましょう。さあ、明日も暑いですよ」。なんだか、アナウンサーの顔も心なしか必要以上に明るい。やけくそな雰囲気が漂っている。この暑さの中、人々はどんな生活をしているのだろうか。身近な人間を調査してみた。7才と4才の子どもを持つ主婦は、日中、外に子どもを出すと熱中症で死ぬ恐れがあるので、とりあえず遊ばせないようにしているそうだ。そして午前中はがまんして、タオルを首に巻いて室内のそうじをして、思い切り汗 をかき、午後はさすがにクーラーをつけているという。クーラー代が気になる別の主婦(35才・子無し)は、近くの区民プールで約5時間は過ごすという。クーラーのつけっぱなしは電気代のことを考えると精神衛生上、良くないそうで、1回700円のプールに浸かり、ついでにサウナも利用しているとのこと。またその700円も馬鹿にならないという別の独身女性(自由業・25才)は、朝から大型書店に行き、うろついているという。その書店では無料の読書コーナーがあり、そこで専ら興味ある最新刊などを読んでいるそうだ。さて、冷房が最高によくきいている場所はどこだろう。私自身、夏が苦手で冷房のきいている場所には敏感なのだが、やはりトップは銀行だろう。あの入った瞬間のひんやり感と汗がみるみるひいていく爽快感はなかなかだ。次にどこかのオフィス。省エネが叫ばれても、会社で扇子やうちわを使って腕まくりをしている姿はあまり見られなくなったように思う。昔の日本映画では、ネクタイをゆるめ、ハンカチで汗を拭きながらうちわで バタバタとあおぐ中年サラリーマンの姿が描かれているが、日本の夏はもうそんな我慢ができる暑さではないということか。とにかくちょっとしたオフィスでは、やはり冷房のため、長袖のカーディガンをはおった女子社員の姿が見られるのだから不思議だ。私は生来の汗かきで、取材場所に行くと、今までに何度か取材対象者(会社の社員や店主)に、「汗、すごいですね。大丈夫ですか」と聞かれたことがある。たらたらと水でもかぶってきたように流れ出る汗の玉を見て、身体の具合が悪いのでは、と心配されてのことだ。とにかく、この夏は危険。身体の弱い方は本当に要注意だ。今年ばかりは、「○○動物園のシロクマに今日、氷がプレゼントされました」というこの季節おきまりのテレビのニュース映像が、うらやましい。うれしそうに爪を立てながら氷のかたまりに抱きついているシロクマの姿に憎しみさえ感じる今日このごろだ。--------本文終り-------------------->


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