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こんなになってる!? 歯列矯正

その14

 8月28日の朝日新聞17面に、歯列矯正の記事が掲載されている。その中で、アメリカに留学した女性の話が書かれている。彼女は留学中に、八重歯のある日本人女優を見て「ドラキュラみたい」と話しているアメリカ人の話を聞き、自分の歯並びが気になって矯正を始めたという内容だ。確かに「歯並び」に関する美意識は米国人に比べると、日本人は相当に遅れているといえよう。私が小学生ぐらいの1970年頃、クラスに、ごくたまに、矯正をしている子がいた。でもそれは、子どもならではの光景であり、大人になってからは、矯正をしている人、特に女性を見かけることは、ほとんどといっていいほど、なかった。ところがこの記事によると、最近は成人が過半数を占めるという。昔は「八重歯はかわいかった」し、何しろ矯正具をはめると、状態にもよるが、装着期間が1年半以上はかかるため、その間の不自由さや見た目の悪さなどがブレーキをかけ、「そこまでして」という思いにさせた。つまり、むし歯や歯槽膿漏などは、まめに歯医者に行って治すが、歯並びは時間も費用もかかるので、そんなにまでして取り組む必要性がない、と多くの大人たちが判断していたのだ。どうやら、カラーの器具も登場して、最近は「ちょっと恥ずかしい」から「見せる」という意識に大きく変わっているようだ。アメリカが歯列をトータルな美しさの条件としていたのは、かなり以前からだが、私自身もどうして歯並びがそんなに美の条件として重要視されるのか、長い間ピンとこなかったが、最近はわかってきた。成人になってからの矯正は、つまりは「どれだけ自分に手をかけているか」なのである。飛び抜けた美人でなくても、化粧や仕草、ファッションセンス、プロポーションで一定の美人ラインまでいけるのが最近の女性のすごいところである。歯並びもその一環、エステに行くのと共通する美意識がやっと歯に及ぶようになったと思う。矯正中は多少は目立つが、今は透明のワイヤもあり、昔みたいに「ギラギラ」ではない。これも、矯正をする成人が増えてきた理由かもしれない。ホワイトニングに歯列矯正。昔は陽の目を見なかった「美しさとしての歯」が、がぜん注目を浴びてきた。


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