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気になるマーロン・ブランドの体重

その15

 先日、試写会で映画「スコア」(配給=日本ヘラルド映画)を見た。このコラムがWebにアップされる頃には、すでに全国で封切りになっていると思う。主演はアカデミー賞俳優、ロバート・デ・ニーロ。50才を過ぎてもなお、ほとんどワーカー・ホリックではないかと思うほど、主演、脇に関わらず精力的に映画に出演しているハリウッドが誇る名優である。このデ・ニーロ扮するニックは表向きはカナダのモントリオールでジャスクラブを経営するシブい中年男だが、裏の顔は盗みのプロ。人を殺さず、目的のブツだけをいただく紳士泥棒だ。このニックの友人で、ニックに「仕事」を持ちかけ、盗んだ物をさばく役割をするのが、これも名優、マーロン・ブランド。なのだが! 試写会場で開演前に配られたチラシを見つめながら話すOL二人組の声が聞こえてきたとき、私も思わず「我が意を得たり!」と手を握りたくなった。話の内容は、「マーロン・ブランド太り過ぎ」である。映画を観られた方はお気づきかもしれないが、ブランド、ものすごく太っている。150kgは軽く超えている。振り向く演技も辛そうだ。そして、動きがほとんどない。いつも、深いソファに座ってえらそうにしているシーンばかりだ。「ちょっと太り過ぎ、ちゃう?」「プロ意識、ないんかな」。OLの意見はもっともだ。映画雑誌によると、ある映画のオファーがあったとき、何十キロか痩せて欲しいという条件がついたそうだ。ここで自分の俳優生命に危機感を抱くのが普通だと思うのだが、ブランドの応えは、「じゃあ、出ない」だったらしい。ダイエットして、痩せないといけないくらいならその映画には出ない、という判断なのだ。そしてこの「スコア」出演である。動きの少ない演技こそ難しいと思うが、とにかく歩くのも息切れ状態で、変な存在感がある。この映画は痩せる必要がなかったということか。太り過ぎはやっぱり考えもの。成人病の温床だ。しかし、「今の自分の姿形を変えてまで、出ないといけない仕事はいらない」という、開き直ったかのようにもとれる、マーロン・ブランドという俳優の生き方(太り方)も、またプロのような気がする。


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