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ひょっとして更年期?

その17

 更年期障害という言葉がある。更年期とは、卵巣機能が低下し始めてから、完全に機能停止になるまでの移行期間のことだ。この更年期を迎える時期は40代後半から50代前半。もちろん、女性の話である。症状としてよく見られるのは、生理不順、のぼせ、多汗、冷え、頭痛、肩こりなど。なかでも、ホットフラッシュと呼ばれる症状は、突然カーッと身体が熱くなり、汗がポタポタと落ちる。と、まあ、この更年期障害はあくまで40代、50代の話で、30代の私には、まだまだ先のことだと思っていた。が、最近女性誌で「30代更年期障害説」が目に付いた。そういえば、最近、月に一度自分の感情がうまくコントロールできないときがある。やる気がでない。食事も欲しくない。できることならずっと横になっていたい、などなど。それだけなら全身倦怠感ということで、「安静にしておこう」ですむのだが、最悪なのは、他人にいいがかりをつけたくなることだ。つい最近もそんな気分の日に、よせばいいのに、夫と一緒にマンションのモデルルーム見学に行った。すでに一度、私が一人で見学済みだった所で、なかなか気に入っての再見学だ。案内してくれたのは、20代の営業レディ。私が一人で行ったときは、男性の営業担当者で、その日は休みだった。値段や間取りの話などを聞いていくうちに、どうも、前に私を案内してくれた営業の人とは、話の具合が違ってきた。間取り変更ができるはずが、すでにゼネコン(建築会社)に工事発注しているので、無理だと言う。共有名義の話も、どうも的を得ない。かなり前向きに考えるつもりで夫婦そろってのモデルルーム見学だったのに、なんだか何を聞いても「それはできません」だの、「お答えしかねます」だの、不快な答えが返ってくる。私が一番気にさわったのは、彼女の「なるほどですね」という言葉だ。こちらの話に相づちを打つ意味で、「だから、普通の3LDKじゃなくて、ちょっと変わったタイプの間取りだから、こちらのマンションが気に入っていたんですよ」と私が言えば、「なるほどですね」とうなづく。しかし、次に来る言葉はこちらの要望を全面否定する内容なのだ。全然「なるほど」ではない。そのうち、キレかかった私は、「もういいです」と言って、夫をうながしてモデルルームを出た。そして「だいたい、あの口調は何よ?エッ、役所みたいな答えで、ゼネコンにばかり気を使って。客はこっちだっつうの。ホンマに、もう絶対あんなマンション買わない」と、私は怒り心頭に達した面もちで言った。正確に言うと、ローンのことを熟考すると、「買わない」のではなくて、「買えない」のだが、そんなことはどうでもよくなっていた。帰宅してからも怒りが納まらず、「あの口癖のなるほどですね、というのも気にくわない。日本語になってない。あの不動産会社はどういう社員教育をしてるんだろう」と、夫相手に延々と毒づく始末。荒れ馬のごとく罵倒する私にあっけにとられている夫。思えば、この日も感情のコントロール不可能日だった。本当に更年期障害かも知れない。30代だからといって油断禁物。更年期障害はあなどれない。


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