あなたのまわりに医者ギライはいないだろうか?私のごく身近にいる医者ギライは夫(53才)である。1週間ほど前、私は夫の髪の毛を染めた。市販の白髪染めを使って、液を頭に塗布したまま、5分ほど放置するという極めて簡単な家庭用タイプのものだ。ところが何度も使っている製品だったのに、どうしたことか、今回に限って、夫はかぶれてしまった。頭皮がかゆいらしい。会社でも我慢していたが、どうにも耐えきれなくなって、かいていたらしい。さらに夫は眼鏡をかけているのだが、眼鏡の柄があたる耳の裏の皮膚までいたかゆいらしい。見てみると、まっ赤なずるむけ状態で、見るだけで痛々しい感じだ。これは痛いだろう。とりあえず、医者に行くことをすすめたが、夫はそんな意見を全く無視して、私に絆創膏を貼るように命じた。しかし場所が場所なので、耳の形に合わせてカーブした絆創膏などわるわけがない。とりあえず、貼ってはみたが、あまりきれいにカバーできなかった。夫は黙って、眼鏡の柄にティッシュを巻き付け、眼鏡の柄カバーのような物を作った。これなら柄が皮膚にあたるのをカバーできる。なるほど、と思ったが、翌日、そのティッシュは黄色い膿みだらけになっていた。どうやら、悪化の一途をたどっている。見かねて、再度皮膚科で診てもらうことをすすめたが、夫は私の絆創膏の貼り方が不十分であるとなじった。今度は消毒をしたあと、コットンを切り、皮膚にあたる部分に軟膏を塗って、できるだけ耳の形がカバーできるオリジナルのものを作った。これでただれた部分をカバーした上で、さらに例のティッシュで作った眼鏡カバーを使う。二重にカバーできるわけだが、テーブルの上に散らばった軟膏やら、ティッシュやらを見ていると途中でバカらしくなってしまった。医者に診てもらえば、すむことではないのか? 即効性のある軟膏でも与えてもらえるのではないのか? しかし夫は医者ギライなのだ。断固として自力で治そうとする。そのための努
力なら惜しまない。あるとき、夫は名案を思いついたような顔で言った。「頭の皮膚を乾燥させて、傷口を治したいから、当分風呂に入るのをやめる」。じめじめ暑いこの時期にである。私は放っておくことにした。医者ギライの人間にまともな論理は通用しない。自分で「これは医者に行かないとヤバイぞ」という気持ちにならなければ、彼らは絶対に行かないのだ。まわりに医者ギライの友人やご家族がいる方、彼らに取り合わないようにしよう。静かに見守ってやるのが一番なのだ。きっと。
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