いま、ひそかなブームの兆しを見せているのが、大人のバレエだ。バレエというと、ちょっとハイソな親が女の子に習わせる、おけいこごと、というイメージが強いが、最近は大人の女性の間に広がりつつある。仕事で、あるバレエスクールを取材した。子どものためのクラスは別で、成人用のクラスを取材したのだが、あらゆる年代の女性が汗を流す姿は、しなやかで、なかなか美しい。みな、決してスタイルがいいわけではないのだが、2〜3年続けている人もいて、なかなかポーズも決まっている。バレエを始めると、まず姿勢が変わる。基本ポーズは常に背筋が伸びているので、首もすっと伸びた感じを意識する。いわゆる肩の上に、いきなり顔が乗っている状態ではなくなる。この姿勢の善し悪しを一番感じるのは、アメリカやヨーロッパを旅したときだ。足が長いということもあるが、欧米の女性がたとえ太っていても、美しく見えるのは、すっと伸びた背筋のせいだろう。熱しやすい私は、すぐにバレエを始めることにした。まだ一回しか行っていないのだが、
約2時間、やり終えたときの気分は最高だ。エアロビクスでは味わうことができなかった優雅な気持ち。クラシック音楽に合わせて首をのけぞらせ、足を美しくあげる・・。といきたいのだが、これがびっくりするほど身体が固い。ただでさえ汗かきなのだが、ちょっと動いただけで、異常に汗が出る。喉が乾いて死にそうだ。背中の肉が、まるでざぶとんを背負ったような厚みに感じられる。2時間が長く感じられ、最後の方はダルダルな動きになっていると、先生にカツを入れられる。それでも何とかやり終えた。身体の芯から絞り出したような汗にびっくり。激しい動きはしないのに、身体の老廃物が汗と一緒に全部出たような気分だ。一番驚いたのは、自宅にもどって、冷房のきいた部屋にいても、足の先からぽかぽかしたこと。血液の循環が一気に良くなったのだろうか。2600円出して、ピンクのバレエシューズを買って良かった。ダイエット効果も期待できそうだが、スクールで、「スッキリやせた」という人に「どれくらい通ったら、痩せるのか」と聞いたら、週2回で約3年かかったらしい。美は一日にして成らず。美しいバレリーナの道は険しかった。
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