ボーン・アンカード・ブリッジ
下顎の場合、図のように5本のインプラントを埋めこみ、それぞれを金属のプレートでつなぎ、その上に義歯をのせてネジでとめます。橋にたとえると、インプラントとアバットメントは橋脚、金属のプレートが橋げた、人工の歯が橋板です。橋げたと橋板の部分、つまり金属のプレートと人工の歯が上部構造といわれるものです。このスタイルは、ボーンアンカードブリッジと呼ばれています。下顎前歯部分の骨は、からだの中でもいちばん硬いといわれている骨で、ここに5本のインプラントを入れれば、下顎の人工の歯10?12本分を支えることができます。
7本のインプラントで下顎すべてに歯が入る
第二大臼歯の位置まで歯を入れるようになってきました。つまり、インプラントを7本から8本入れるということです。それを提唱したのは、日本のインプラントの権威である東京歯科大学の客員教授、またブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター東京所長・小宮山彌太郎先生です。口を大きく開けたとき、奥歯がないのは意外と目立つもので、その点からも一番奥まで歯を入れたほうがよいという考えもあったようです。小宮山先生の提唱は、当初、自分の師であるブローネマルク氏に受け入れられませんでした。神経を傷つける危険があるからではありません。神経の場所はレントゲンやCTの検査によって、手術前に確認できます。検査さえきちんと行えば、危険はまずないといってよいでしょう。現在では奥までインプラントをつなぐ治療が当然のことと世界中で一般的に行われるようになっています。
オーバー・デンジャー
次に、いままで使っている入れ歯を利用したインプラントを紹介します。これは、埋めこむインプラント本数が少ないため、経済的な負担が少ないことに加え、総入れ歯の使用感も改善されるというメリットがあります。本数や方法は様々ですが、仮に下顎の全部床義歯(総入れ歯)を活かすべく、3本のインプラントを埋めこむとしましょう。アバットメント取り付け後、バーシステムで連結します。その後、全部床義歯の裏面に専用のクリップを取り付けたものをはめ込みます。これによって、口腔内の様々な動きを柔軟に受け止める力が働き、入れ歯の使用感がぐんとアップします。
数本の歯を失っている場合の治療法
次は、1本あるいは数本の歯を失った人に対する治療です。たとえば、連続した2本の歯を失っている場合を考えてみましょう。この場合、ブリッジにすべきなのか、インプラントがよいのか。ブリッジとは抜けた歯の左右の歯を支台として、ちょうど橋をかけたようなぐあいに歯の抜けた部分を補う方法を指します。歯が1本?2本抜けたとき、抜けた歯のかわりとなるダミーを、両隣の歯を削ってかぶせたセラミックやレジン(プラスチック)製の義歯でつなぎます。作りつけなので取り外しの必要がなく、がたつきを感じることもほとんどありませんが、両隣の健康な歯の、最低でもエナメル質までは削りとってしまわなければならないことが大きなデメリットです。また、将来的に、支台となっている歯が歯槽膿漏などで悪くなって抜かなければならないことも起こり得ます。その場合、さらに隣の歯を削ってブリッジをつくり治す方法もありますが、ブリッジでまかなえるのは2本の欠損まで。3本以上の歯が抜けてしまったら、2本の歯で支えることは負担が大きすぎて不可能です。となると、部分床義歯(部分入れ歯)にするか、インプラントにするか、方法は2つしかありません。一方、インプラントであれば、抜けた歯の部分にインプラントを埋め込み、義歯を取りつけることになります。図のようなケースでは埋め込むインプラントは2 本ですみます。