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まず、インプラントを入れたい理由をお聞きします。何でも食べられるようになりたい、空気の漏れない発音をしたい、天然歯のような美しい歯を入れたいなど、患者さんの要求をはっきりさせることが狙いです。そのご期待にどの程度応えられるのかをはっきりご理解頂くことも大事です。
次に、これまでにどのような歯科治療を受けてきたか、なぜ歯を失ったのか、今使っている義歯に関してトラブルはないかなど、あなたの歯の歴史をうかがいます。
なぜそんなことをお聞きするかというと、インプラント治療の障害になるものをつかんでおきたいからです。
たとえば、インプラントは虫歯にはなりませんが、歯槽膿漏と同じ症状になる可能性はあります。歯槽膿漏の一因に、かみ合わせの異常による過剰な負担がありますが、かみ合わせの異常を放置したまま、インプラントを入れてしまうと、また同じ事態を繰り返してしまうことがあるのです。
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歯科で治療を受けるのにどうして内科の検査が必要なのか、不思議に思われるかもしれません。インプラントの成功は全身の健康状態にも大きく左右されます。たとえば、中程度の糖尿病の方は傷の治癒が遅れる傾向があるため、骨とインプラントがうまく結合しないことがあります。また、インプラント治療では2度の手術が必要で、その際、麻酔をかけなければなりませんが、心臓が悪い方は麻酔管理をよりいっそう慎重に行う必要があるのです。血液検査、血圧検査など内科的な検査は、インプラント治療によってもたらされるこうしたリスクを回避するために欠かせないものです。なお、持病のある方は、最終的に内科の主治医に意見を求め、治療をするかどうかを決定します。
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| 歯の歴史をお聞きしたあと、歯槽膿漏や虫歯、歯周炎の有無をチェックします。歯だけではなく、粘膜や骨も外から見える状態を検査して、口腔の状態を把握します。 |
口腔内の形状を正確に把握することが、インプラント治療には重要です。一番わかりやすく把握する方法は、口のなかそっくりの模型をつくってしまうことです。これを口腔内模型といいます。石膏で患者さんの口のなかをかたどった模型を、咬合器という器械にはめて、顎のかみ合わせを再現します。
この模型をつくっておけば、手術前のかみ合わせの状態を保存できます。また、上あるいは下の歯がすべて抜けてしまっている方は上顎と下顎の距離を正確に把握することが大切になるのですが、この模型が上下の理想的な位置関係を探し出す手だてとなるわけです。
さらにこの模型があれば、患者さんがその場にいらっしゃらなくても治療の計画を立てることができるので、何度も通院する必要がなくなります。
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次の段階では、口腔内模型に人工の歯をつけてみます。模型上でインプラントを入れた後の状態をつくってみるのです。この段階で上部構造の理想の形を決め、その上部構造を支えるためには、どこへどういう角度でインプラントを埋め込んだらいいのか、計算します。特に、歯がすべて抜けている方の場合、適切なかみ合わせを再現するためにも、歯が抜ける前の自然な状態をここで再現することが大切になってきます。
場合によっては、歯が抜ける前の写真を持参していただき、それを見ながら再現することもあります。
患者さんにとっても、この模型を見ることで、インプラント後の自分の歯の並びがどのようになるかが一目で分かり、治療についての理解が深まると思います。
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歯と歯肉の状態は口腔内模型で把握できたとしても、その下にある骨の状態は、外からでは正確にわかりません。外から見て歯肉が盛り上がっていても、骨は薄いということもあります。骨の量と質は、インプラント治療において大きな要素ですので、レントゲンとCTスキャンで骨の状態を確実につかむことが必要です。
レントゲンはパノラマX線写真という、口のなか全体を一枚の写真として撮影できる機械を使います。この写真によって口腔内の全体的な骨の形や量がわかりますが、それだけでは不充分です。上顎は副鼻腔に接していて骨は薄くなっていますから、特に正確に骨の形状を把握することが求められます。
そこで登場するのがCT撮影です。CTとは、X線をからだの周囲から照射して、その反対位置からからだを透過したX線の強度を検出器で検出したのち、コンピューター処理を行い、からだの輪切像(断層像)としてテレビモニター上に描出するのものです。CT断層写真を見ると、より詳しく骨の量がわかります。
さらに最近では、CTのデータをコンピュータに入力し、シミュレーションソフトを使って、骨質骨量、フィクスチャーを入れる適切な角度、さらにはフィクスチャーにかかる咬合力を計算することができます。
コンピュータシミュレーションを使うことによって、インプラントをここに入れたいけれど、この方向には骨がないからインプラントをこの角度だけ傾ければよい、といった判断ができるようになりました。
さて、これらの診察や検査に基づいて治療計画をたてますが、検査の結果、どうしても希望通りの場所にインプラントを支えるだけの骨が存在しないことが判明したからといって、そう簡単にあきらめることはありません。足りない場所には補ってあげればいいだけの話です。からだの他の部分から骨を取ってきて、必要な場所に移植をするのです。これを骨移植といいますが、整形外科分野において長年実績のある方法ですから、危険はありません。骨の移植をした後は骨の治癒期間として4〜6か月ほど待たなければなりませんが、しっかりと骨が固まれば他の場合同様にインプラント治療を受けることができるようになります。
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各種の検査に基づき、フィクスチャーの長さやアバットメントの種類を決め、治療計画をたてます。詳細を患者さんに説明し、納得していただいたら、サージカルテンプレートを作製します。
サージカルテンプレートは、口腔模型に並べた人工歯列の複製に、患者さんそれぞれの骨質やかみ合わせの状態にあわせて決めたインプラントの位置や埋入方向を記憶させた器具です。これを歯肉に当ててガイドとすることで、正確な位置に孔をあけることができるのです。
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